今回の足のトレーニングは、久しぶりのセラバンドトレーニングです。
2012年、2013年に、セラバンドトレーニングについて特集しました ↓
(44)「足のトレーニング 5 (セラバンドを始める前のトレーニング)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/23578066.html
(12)「足のトレーニング 1 (セラバンド 1 )」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5119662.html
(13)「足のトレーニング 2 (セラバンド 2 )」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5153650.html
実は、「セラバンド 3 」もあります。
当院では、来院した方には指導していますが、ブログには載せていませんでした。
バレエ界では、多くの方がセラバンドトレーニングをしている一方で、
セラバンドトレーニングの効果を疑問視する
バレエ指導者やダンサーの治療家やトレーナーが存在しています。
私は、20年以上ダンサーの治療や運動指導を経験してきましたが、
確かに、セラバンドトレーニングが必要ではないダンサーたちがいます。
しかし、ほとんどのバレエ愛好者とコンクール群、プロ予備群のダンサー、
また、ケガをしたあとのリハビリとしてバレエ教師やプロダンサーにも、
セラバンドトレーニングが効果的であると実感しています。
では、どのような人がセラバンドトレーニングをすると効果があるのか?
★下腿筋後面の深層にある後脛骨筋、長指屈筋、長母指屈筋と、
下腿筋外側にある長腓骨筋、短腓骨筋、
下腿前面の深層にある長母指伸筋、長指伸筋、
足の内在筋(足底筋群、足背の筋群)をバランスよく使って、
足関節や足部の底屈・背屈ができない人。
また、足の指を曲げたり・伸ばしたり、すぼめたりができない人です。
これを、バレエの言葉で説明すると・・・
★ルルベアップすると、安定せずにグラグラしてしまう。
★ルルベアップすると、カマ足や逆カマ足になってしまう。
★ルルベアップするときと、ルルべから戻るとき、同じ軌道で動かすことができない。
★ルルベアップするときと、ルルべから戻るとき、早い動きと、ゆっくりの動きで、常に同じ軌道で動かすことができない。
★床を押す感覚がわからない、床を押すことができない。
★足指を曲げたり伸ばしたり、すぼめたりのコントロールができない。
★足裏や足指の筋力強化はできている、安定したルルベはできる、
それなのに距骨後方症候群(三角骨や長母趾屈筋腱の腱鞘炎など)、アキレス腱炎、足関節捻挫など
足部や足関節周囲のケガや痛みなどの炎症を繰り返している。
このようなダンサーたちに、セラバンドトレーニングが効果的であると実感しています。
しかし、効果的ではないやり方でセラバンドトレーニングを実行しているバレエ愛好者やコンクール群を数多く見てきました。
★セラバンドトレーニングは、必ず膝を曲げた状態でやってください!!
その理由は、腓腹筋以外の筋肉のトレーニングを選択的にしてほしいからです。
なぜ、足関節底屈の主動筋である腓腹筋以外のトレーニングを選択的にやる必要があるのかを、
簡単に復習しますと・・・
★下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)は、足首を底屈(ポアントの肢位)にする主動筋です。
★下腿筋後面の深層にある後脛骨筋、長指屈筋、長母指屈筋と、下腿筋外側にある長腓骨筋、短腓骨筋は、
足首を底屈(ポアントの肢位)にする補助筋群です。
★足の内在筋もバレエでは重要です。
足底筋群は、足首より先の部分にあり、足の甲を出したり、足指を曲げたり、足部全体をすぼめたりします。
また足背の筋群と拮抗させることで、トウシューズで立つときなどの足指をぐっと伸ばすこともします。
★このトウシューズで立つときの、足指を床に突き刺すような力は、
下腿筋後面の深層にある後脛骨筋、長指屈筋、長母指屈筋と、
下腿筋外側にある長腓骨筋、短腓骨筋と、
下腿前面の深層にある長母指伸筋、長指伸筋、
更に足の内在筋と共同して行うことで可能になります。
★「主動筋と補助筋群とともに拮抗筋も一緒にバランスよく使う」ことができると、
関節を詰まらせずに、関節に適度な空間を作りながら使うことができます。
それは、しっかりと床を押して、高いルルベができるということであり、
長母趾屈筋腱の腱鞘炎のリスクを下げることができることでもあるのです。
詳しく知りたい方は、こちらのブログを参考にしてください ↓
(11)「バレエに関係する足部の機能解剖」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5040430.html
(191)「長母趾屈筋腱腱鞘炎のリスク要因」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50875763.html
(14)色々な足 61 (12歳のバレエダンサー)(親指を曲げずに足を伸ばすには、どうしたらよいのか!!??)(バレエに関係する足部の機能解剖 2 )
https://www.ikejimasekkotsuin.jp/column/729/
もしも、足関節底屈の主動筋である腓腹筋のトレーニングをする場合は、もっと効率的な別のトレーニング方法があります。
たとえば、こんなのはどうでしょうか?? ↓
これは、両足で行うカーフレイズですが、片足ずつ行うカーフレイズや、
膝を曲げて行う(ヒラメ筋)カーフレイズもあります。
当院でも、下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)の肉ばれ後のリハビリや、
下腿三頭筋の筋力低下のあるスポーツ選手やダンサーにやってもらっています。
あ、話がそれてしまいました・・・
★セラバンドトレーニングは、必ず膝を曲げた状態でやってください!!
という話でした。
例外的に、膝を伸ばした状態でセラバンドトレーニングをやっても良い人達がいます。
それは、膝を伸ばした状態で、アキレス腱をしまうことができる人です。
膝を伸ばした状態で、アキレス腱をしまうことができる人は、膝を伸ばした状態でセラバンドトレーニングをやっても構いません。
膝を伸ばした状態で、アキレス腱をしまうことができない人は、必ずセラバンドトレーニングを、膝を曲げた状態でやってください!!
それから、もう一つ重要なことがあります!!
★大腿四頭筋で膝を伸ばした状態で、セラバンドトレーニングをすることのリスクです。
とくに、反張膝の人が、大腿四頭筋で膝を伸ばした状態で、セラバンドトレーニングをしている場合があります。
これは、足関節の底屈と大腿四頭筋の収縮を常にセットで身体に教え込んでいるのと一緒です。
★反張膝のあるなしに関わらず、大腿四頭筋で膝を伸ばさず、更にアキレス腱をしまうことができる人は、
膝を伸ばしてセラバンドトレーニングをしても構いません。
しかし・・・
気を付けることがありすぎて、とても効率的なトレーニングとは言えないのです・・・
だったら、最初から、膝を曲げてセラバンドトレーニングをしましょうよ!!!
次回は、セラバンドトレーニングを写真や動画をご紹介しながら説明していきたいと思います。
色々な年代でご紹介するつもりでしたが・・・コロナ騒動で予約のキャンセルがあり・・・
更に、You Tubeアップの題名に年齢を入れたせいか「年齢制限」にいちいち引っかかり・・・
何度か心が折れかけましたが・・・頑張って完結したいです。
いつかに続く・・・
いけちゃん
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