今回は、シーテッドカーフレイズ(バレエバージョン)の特集です。
モデルさんは、アキレス腱断裂術後の40代のバレエ教師 Yさんです。
(26)色々な足 63 (40代のバレエ教師)(アキレス腱断裂の術後1年半からの舞台復帰に向けてのリハビリ)(甲が出る足)
https://www.ikejimasekkotsuin.jp/column/1088/
★Yさんは、アキレス腱断裂術後の1年半後から、当院の運動指導へ通い始めました。
初診時、Yさんの足関節・足部の関節可動域には、左右差はほぼありませんでした。
しかし、足関節・足部の筋力は、右足は左足の70~80%程度でした。
通常は、近所の医療機関へ通院し、当院へは2~3週間に一回のペースで来院してもらいました。
★Yさんはバレエレッスンやトレーニングなどを積極的に実行し、
3カ月後から少しずつルルベができるようになってきました。
★術後約2年、当院での運動指導を始めて5カ月後では、
プリエで勢いを付ければ4分の3ポアント、フルポアントの位置に立つことができました。
しかし、それをキープする筋力がなく、
ライズアップするときも、ライズダウンするときも、途中のコントロールができない状態でした。
また、足裏でゆっくりと床を押していくと、
右足は半分までしかルルベができませんでした。
そのため、左足はバランスのよい位置を探しながらグラグラしていました。
★当院での運動指導を始めて6カ月後の状態は、
両足での高いルルベをゆっくりできるようになりました。
ライズアップするとき、プリエで勢いを付けなくてもゆっくりとライズアップできるようになり、
ライズダウンするときも、ゆっくりと下りれるようになりました。
途中のコントロールができるようになってきたのです。
①片脚での高いルルベでは、ライズアップするときはゆっくりとアップできましたが、
ライズダウンするときは、まだ途中のコントロールができない状態でした。
★この状態では、足関節捻挫のリスクが高いことと、
立位でやるトレーニングをやりすぎると、ふくらはぎの筋肉に負担がかかり過ぎることを考えて、
椅子に座ってやるカーフレイズ(シーテッドカーフレイズ、バレエバージョン)もやってもらいました。
一般的なカーフレイズトレーニングとシーテッドカーフレイズトレーニングの動画はこちらです
↓
カーフレイズ(腓腹筋のトレーニング)
https://www.youtube.com/watch?v=9VUl17qo-1g
https://www.youtube.com/watch?v=9VUl17qo-1g
シーテッドカーフレイズ(ヒラメ筋のトレーニング)
https://www.youtube.com/watch?v=F6zOtG7YBiM
★一般的なカーフレイズは、主に腓腹筋をトレーニングすることが目的ですので、
かかとを高く上げる必要はないと指導されることが多いのです。
★一般的なシーテッドカーフレイズは、主にヒラメ筋をトレーニングすることが目的ですので、
かかとを高く上げる必要はないと指導されることが多いのです。
★でも、バレエで高いルルベをするためには、かかとを高く上げる必要があります。
腓腹筋やヒラメ筋以外の
足関節底屈筋群の補助筋群や拮抗筋、足部の内在筋も使うことが重要です。
その理由は、こちらに書いてありますので参考にしてください。
↓
(26)色々な足 63 (40代のバレエ教師)(アキレス腱断裂の術後1年半からの舞台復帰に向けてのリハビリ)(甲が出る足)
https://www.ikejimasekkotsuin.jp/column/1088/
以前にも、シーテッドカーフレイズ(バレエバージョン)のブログを書いたことがありました。
↓
(109)「足のトレーニング 10(足裏で床を押すエクササイズ、パラレル編)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/45094835.html
(110)「足のトレーニング 11(足裏で床を押すエクササイズ、ターンアウト編)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/45114343.html
★足の指を使わないで、指の付け根の裏やかかとで床を押すトレーニングとして特集しました。
ルルベをするときに足の指を使い過ぎる、
長母趾屈筋腱の腱鞘炎がある、
プリエをするとき、かかとも使って床を踏むことが苦手
そんなダンサーさんたちには、このようなトレーニングも有効です。
★人によっては、もっと足の指を使ってルルベをした方が良いケースもありますので、
その場合は、半円形のボードなどを使わず、床の上で直接トレーニングをする場合もあります。
また、足の指を這わせて使う、別のトレーニングもあります。
では、Yさんにやってもらった、シーテッドカーフレイズ(バレエバージョン)の始まり始まり~!!
②③④⑤⑥⑦姿勢を良くして、
足指の付け根で半円形のボードをゆっくりと押していきます。
ゆっくり、10回くらいやってください。
★アテールとプリエでは、股関節と膝関節、足部の中央線は、
足指の2指と3指の間をまっすぐ通ります。
★ルルベでは、4指と5指が短いので、
股関節と膝関節、足部の中央線は、
足指の2指をまっすぐ通ります。
★ルルベになるとき、カマ足や逆カマ足にならないためには、
足指の2指に向かってライズアップすることが重要です。
★ライズダウンするときは、足部のアライメントに気を付けながら、
足指の2指と3指の間に向かって、かかとを下ろしていくことが重要です。
⑧⑨⑩次に1キロのダンベルを膝の上にのせて、
足指の付け根で半円形のボードをゆっくりと押していきます。
あれれ??
Yさんは、感覚が全く変わってしまって、うまくボードを押せなくなってしまいました。
バレエをやっている方は、ターンアウトでのトレーニングは比較的上手にできるのですが、
パラレルでのトレーニングが苦手な方が多いのです。
★トレーニングは、パラレルとターンアウトの両方とも必要ですから、
必ず両方やってくださいね!!
⑪⑫⑬⑭次に、開脚をしてやります。
姿勢を良くして、
足指の付け根で半円形のボードをゆっくりと押していきます。
ゆっくり、10回くらいやってください。
⑮⑯⑰⑱
次に1キロのダンベルを膝の上にのせて、
足指の付け根で半円形のボードをゆっくりと押していきます。
ゆっくり、10回くらいやってください。
一般の方は、姿勢のセッティングそのもの、またはトレーニング中の姿勢の維持や、
足部から股関節周囲の筋肉の使い方に課題が多く、時間がとてもかかるのですが・・・
バレエ教師のYさんは、そういうことにはまったく時間がかかりませんでした。
しかも、トレーニング中に、
「今、少しカマ足になってしまった」
「あ、少し捻じれてしまった」など、自分の足を見なくてもわかるのです。
私は、Yさんの身体の位置感覚の能力の高さ、
身体のセンサーの素晴らしさに、感動してしまいました!!!
⑲⑳開脚では、2キロのダンベルまで挑戦しました!!
コロナが流行ってレッスンがお休みになってしまいましたが、
焦らずに少しずつトレーニングを続けてくださいね~!!
いけちゃん
いけちゃんのblog 1 目次
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46271926.html
いけちゃんのblog 2 目次
https://www.ikejimasekkotsuin.jp/column/892/